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アキュテイン（イソトレチノイン）とは？

概要

アキュテイン（Accutane®）は、重度の尋常性ざ瘡（ニキビ）や、他の治療では改善が難しい難治性ニキビに用いられる強力な治療薬です。
成分は イソトレチノイン（Isotretinoin） というビタミンA誘導体の一種で、皮脂腺に直接作用し、皮脂分泌を大幅に抑えるという特徴があります。皮脂が少なくなることで毛穴の詰まりが起こりにくくなり、アクネ菌の繁殖や炎症が抑えられるため、新しいニキビの発生を防ぎ、既存のニキビの改善にもつながります。

この薬は、外用薬（抗菌剤やレチノイド外用）、抗生物質、ホルモン療法などを行っても効果が不十分な患者に対して用いられる「最後の切り札」とも呼ばれる存在です。
・成分：イソトレチノイン（Isotretinoin）
・製造元：Healing Pharma（インド製）など各国製薬会社
・ブランド名：Accutane®（米国）、Roaccutane®（欧州）、その他ジェネリックあり
・承認状況：日本では未承認ですが、米国FDAや欧州各国では承認済みで、広く臨床使用されています。

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用法・用量（海外ガイドラインに基づく一般例）

イソトレチノインは強力な薬剤であり、国ごとのガイドラインで細かく規定されています。以下は代表的な例であり、必ず医師の管理下で使用する必要があります。

開始用量
・通常は 0.5 mg/kg/日 を目安に、1日1〜2回に分けて経口投与します。
・体重別の目安は以下の通り：
・40kg → 20mg/日
・60kg → 30mg/日
・80kg → 40mg/日

最初は低用量から始め、副作用を確認しながら少しずつ増量するのが一般的です。

増量・維持
・効果や副作用を見ながら 0.5〜1.0 mg/kg/日 の範囲で調整。
・場合によっては短期間だけ増量することもありますが、最大でも2.0 mg/kg/日 を超えないのが原則です。

治療期間
・通常は 16〜24週間（4〜6か月） を目安に使用。
・一回の治療で症状が大きく改善し、再発しにくいのが特徴です。
・特に重要なのは 累積投与量（120〜150 mg/kg）。これを達成すると再発率が低くなることが臨床的に確認されています。

服用の仕方
・イソトレチノインは 脂溶性の薬であり、食後に服用すると吸収率が高まります。
・特に脂質を含む食事と一緒に服用するのが望ましいとされています。

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主な注意点と副作用

アキュテインは非常に効果的ですが、強力な作用を持つ分、副作用や使用上の制限が多い薬です。
・催奇形性
妊娠中・授乳中は絶対禁忌です。女性は治療開始前・治療中・治療終了後も一定期間は避妊が必須となります。海外では妊娠予防プログラム（iPLEDGEなど）が制度化されています。
・定期的な血液検査
投与中は肝機能や血中脂質の変化を確認するため、定期的な採血検査が必要です。
・皮膚・粘膜の乾燥
唇や皮膚の乾燥、鼻の粘膜からの出血（鼻血）がよく見られます。リップクリームや保湿剤が必須です。
・精神・神経への影響
一部の患者で頭痛や抑うつ傾向が報告されています。精神症状が出た場合は服用中止も検討されます。
・その他
関節痛、筋肉痛、光線過敏などが出る場合があります。

治療終了後も効果が長期間持続することが多いですが、まれに再発するケースもあり、その場合は再投与が検討されます。

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まとめ
・アキュテイン（イソトレチノイン）は、重症ニキビに対して非常に有効な内服薬。
・用量は 0.5〜1.0 mg/kg/日 を目安に、治療期間は 4〜6か月。
・累積投与量120〜150 mg/kg を達成することで再発を防ぎやすい。
・一方で副作用も強力で、妊娠中の使用は絶対に避ける必要があり、定期的な血液検査も必須。
・強力な効果とリスクを併せ持つため、必ず医師の管理下で安全に使用することが前提。